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大腸内視鏡検査
検査の対象になる方
大腸内視鏡検査は、肛門より内視鏡を挿入し全大腸および小腸末端の一部を観察する検査です。
この検査を受けられる患者さまは、主に大腸がん検診などでの便潜血反応陽性の方です。また、日常生活においての腹部症状(下腹部痛・腹部膨満感など)のある方、排便について気になる方、下血(便に血液が混ざったり、明らかに血液のみ排出など)のある方などです。
検診の精密検査などは、日程を調整し患者さまの都合に合わせて検査を行いますが、下血の場合は原因究明のため、緊急的に当日の検査になる場合もあります。
検査の前処置
医師が検査の適応・方法などを十分に説明し患者さまの同意が得られれば、検査日時を決定します。その後、担当看護師より検査前日の食事・下剤の服用や検査当日の説明を行います。
この説明は、医師では十分に行き届かないような食事の注意や検査当日の注意を細やかに行ってもらっています。
大腸内視鏡検査を行う場合には腸管にある便をきれいに排出し、腸の中を空っぽにしてから行う必要があります。
腸管内に便があると、十分な検査ができないばかりか病変を見落とす可能性もあるからです。当院では、前日に大腸検査食を一日食べて就寝前に下剤を服用していただいています。
検査当日は、指定の時間に来院いただき看護師より検査当日の流れの説明の後、前処置室で約2リットルの下剤を2時間程度かけて服用いただきます。
2リットルはやや多いのですが、十分な検査を行う準備と思って頑張って服用いただいています。ある程度排便があり、排泄物が透明に近い状態になるときには看護師が便の状態を確認させていただき検査可能な状態になりましたら、いよいよ検査です。
検査について
前処置が十分に行えましたら、検査着になっていただき内視鏡検査室で検査を行います。大腸内視鏡検査は、腸管に内視鏡が入っていくので多少の苦痛が生じる可能性があります。
当院では、患者さまが少しでも楽に検査が行えるように鎮静剤(少し眠くなるようなお薬)を使用して検査を行います。医師より検査について説明をさせていただいた後、鎮静剤を注射して検査を行います。
順調に挿入できれば内視鏡が大腸の一番奥に5分~10分程度で到達します。腹部の手術(消化器系臓器の手術・女性の婦人科の手術)などの既往がある患者さまでは、腹部内の癒着により検査に疼痛が生じる事もあり挿入に時間が掛かる場合もあります。
大腸の一番奥に到達したら、内視鏡を抜きながら大腸内を観察していきます。患者さま用のモニターでご自身の腸管内を見ていただきながら内視鏡を抜いて観察します。検査中も看護師が患者さまに声掛けをさせていただき患者さまの状態観察を十分にさせていただいています。
精密検査が必要な病変が見つかった場合、青色の色素を散布して観察したり、狭帯域光観察(Narrow Band Imaging:NBI)という特殊な観察方法で病変の評価を行います。そして、組織検査が必要な場合は組織を採取したり、ポリープがあればその場で切除を行います。当院で切除可能な病変の場合はその場で対応いたします。
しかし、特殊観察を行い悪性病変が疑われる場合には総合病院などに依頼して手術を行う場合もあります。これらについての判断も患者さまに十分に説明させていただきます。
検査後について
当院では、検査に鎮静剤を使用しておりますので、検査後に2時間程度ベッドでお休みいただいております。
その間も看護師が近くにおりますので、困った事などは対応させていただきます。安静の後、医師より図や文章を用いて検査結果について説明をさせていただきます。
組織検査やポリープ切除を行った患者さまは、後日精密検査の結果をご報告いたします。
鎮静剤の使用後の注意
鎮静剤を使用した場合の検査後は、ご自身で自動車の運転での帰宅は控えていただいております。お身体に多少なりとも負担のかかる検査後でもあり、鎮静剤の作用が遷延して運転に支障を来す可能性がありますので、他の交通手段で帰宅いただくように対応させていただいております。
患者さまのための対応でありますので、ご不便をかけますがご理解ください。